皆さんは、クリーニングって言うと何を連想されますか?
あの薬品ぽい石油のような「ドライクリーニング」を思い浮かべるのではないでしょうか?
有機溶剤を使用して水に濡らさない「乾式洗浄」をドライクリーニング、反対に水に濡らして洗う「湿式洗浄」を水洗い若しくはウェットクリーニングという訳です。
ちょっと実験をしてみました!
左の瓶に石油系のドライ溶剤、右の瓶に普通の水の瓶を用意して、折り鶴を入れてシャカシャカしました。つまり洗うわけです。
ドライ溶剤の折り鶴は原型をしっかりととどめていますが、水の方は全くとどめていませんね!
実はこの石油系ドライクリーニングは、110年以上前に偶然に発見された洗浄方法で、型を崩さず縮みも起こさない画期的な洗浄方法なのです。
むか~しは洗濯というと水で洗うのが当たり前だった訳ですが、羊毛素材の洋服が段々と普及してきた当時は水で洗うことが出来なかったので洗わなかったんだそうです。こういった水で洗う事が難しい衣料のことを「難洗衣料」というのですが、これを洗うのを可能にしたのがこのドライクリーニングなのです!
それでは、もう一つ実験結果をお見せします。
コットン50%ポリエステル50%の試験布を4枚準備し、ここに油の汚れ代表のラー油と汗等の水性の汚れ代表のお醤油を付けてシャカシャカしてみました。
左のドライ溶剤の方はラー油の油汚れはスッキリ落ちていますが、醤油の水性の汚れは落ちませんでした。反対に右の水の方は、醤油はスッキリ落ちましたがラー油は全く落とせませんでした。
実は、私たちが着ている服の大半の汚れは水性の汗なのです!
えっ、じゃあドライクリーニングは汗が落ちないの?!
そうなんです。実はドライクリーニングは汗には全く対応出来ないのです。
例えばビジネススーツをちゃんとクリーニングしているのに、何だかズボンの太ももの前辺りがすぐにモタモタしてきたり、不意に降り出した雨に当たったら何だか不思議な臭いがするなんて経験がないでしょうか?
きちんと手入れしているシルク製品で、シーズン明けにクローゼットから出したら脇や首回りが何だか黄ばんでいるなぁなんてことありませんか?
それが、ドライクリーニングで落ちなかった汗分のいたずらなのです。
ではどうるればいいの?
その続きは、次回ご紹介いたしますね!
この内容の動画を、You Tubeの「クリーニングの野崎店長」で詳しくご説明しております。よろしかったら、ご覧ください!