2020年3月26日木曜日

クリーニングで新型コロナウィルスの消毒はできるのか?







日テレビや新聞、ラジオ等で報道されております「新型コロナウィルス」につきまして、多くのお客様から「クリーニングによる消毒はできないのか?」というご質問をいただいております。

  
 すでに店頭でお知らせをしておりますが、コロナウィルスの消毒今のところ出来ないというのが率直な答えでございます。

  実は多方面から消毒に関する色々な情報があるのですが、全てにおいて科学的な裏付けを当店としては確認が出来ないため消毒が出来るとは申し上げることができません。
  菌とウィルスは全く別物で、今回の問題はウィルスをどうするかを考えなくてはいけません。

  今回のコロナウィルスに最も有効な消毒方法は、塩素系の漂白剤に使用されている次亜塩素酸ナトリウムで、これについては科学的にもデータとしても効果は実証されております。
  詳しくお話しますと、12%次亜塩素酸ナトリウムを500~1000倍に希釈したものを使用することで1秒程で不活性化します。
  
これをクリーニングに利用することで今回のコロナウィルスを消毒できる訳ですが、先にお話ししましたように漂白剤として使われている薬品で脱色力もあり又、動物性の繊維に対してダメージを与えやすいというデメリットがあります。
  そのため使用できる衣料が限られてしまうことと、全ての衣料に使用の可否を見極めることが困難なので商業クリーニングの立場としては不向きと考えております。

  ただ一つの考えとして申し上げるのですがこまめな手洗いと同じくこまめなクリーニングで除菌率を高めることができると思っております。

 例年冬になりますといつも感じていることなのですが、気温が低くなって空気が乾燥してインフルエンザやノロウィルスが流行るこの時期に、コートやスーツ等といったいわゆる外側に着る衣料のクリーニング率が低くなってしまうのは衛生的とは言えないのではないでしょうか?

 通勤電車や人ごみで飛沫を浴びても、ウィルスが自然に死滅するまでに手や体に付着する可能性が高くなります。
 手洗い・うがい・マスク・そして身にまとうお洋服の衛生を、どうかこの時期は真剣にお考えいただけたらと切に思っております。

 また、花粉症のシーズンでマスクが全く手に入らず、本当に辛い思いをしているというお話しをたくさんのお客様から伺っております。
 当店は残念ながらマスクのご提供は出来ませんが、現在「傷まないクリーニング」をお勧めしております。
 実はこの「傷まないクリーニング」は、コロナウィルスに対しての威力はあまりありませんが花粉を落とすことについては得意とする洗浄方法です。
料金も通常のクリーニングに比べて安価ですので、コスパから言ってもお勧めのクリーニングです。

 四季の中で、この冬から春にかけては体調不良になるリスクが高くなる時期でございます。
特に当店は、立地上人ごみを避けることが出来ないお客様がたくさんいらっしゃりご心配をされているかと思います。
 私たちクリーニング業は公衆衛生を担う立場として、これからもお客様の安心安全について日々考えて参りたいと思っております。
 
 どうか皆様のご理解を賜りますよう、何卒よろしくお願い申し上げます




只今、YouTubeでも「クリーニングで新型コロナウィルスの消毒はできるのか?」を配信中!
      https://www.youtube.com/watch?v=XvdvwtyvNhk&t=55s

又は、「クリーニングの野崎店長」で検索



2020年3月5日木曜日

えっ!ドライクリーニングの闇?


皆さんは、クリーニングって言うと何を連想されますか?
あの薬品ぽい石油のような「ドライクリーニング」を思い浮かべるのではないでしょうか?

有機溶剤を使用して水に濡らさない「乾式洗浄」をドライクリーニング、反対に水に濡らして洗う「湿式洗浄」を水洗い若しくはウェットクリーニングという訳です。

ちょっと実験をしてみました!

左の瓶に石油系のドライ溶剤、右の瓶に普通の水の瓶を用意して、折り鶴を入れてシャカシャカしました。つまり洗うわけです。

ドライ溶剤の折り鶴は原型をしっかりととどめていますが、水の方は全くとどめていませんね!






実はこの石油系ドライクリーニングは、110年以上前に偶然に発見された洗浄方法で、型を崩さず縮みも起こさない画期的な洗浄方法なのです。

むか~しは洗濯というと水で洗うのが当たり前だった訳ですが、羊毛素材の洋服が段々と普及してきた当時は水で洗うことが出来なかったので洗わなかったんだそうです。こういった水で洗う事が難しい衣料のことを「難洗衣料」というのですが、これを洗うのを可能にしたのがこのドライクリーニングなのです!

それでは、もう一つ実験結果をお見せします。
コットン50%ポリエステル50%の試験布を4枚準備し、ここに油の汚れ代表のラー油と汗等の水性の汚れ代表のお醤油を付けてシャカシャカしてみました。


左のドライ溶剤の方はラー油の油汚れはスッキリ落ちていますが、醤油の水性の汚れは落ちませんでした。反対に右の水の方は、醤油はスッキリ落ちましたがラー油は全く落とせませんでした。




実は、私たちが着ている服の大半の汚れは水性の汗なのです!

えっ、じゃあドライクリーニングは汗が落ちないの?!
そうなんです。実はドライクリーニングは汗には全く対応出来ないのです。

例えばビジネススーツをちゃんとクリーニングしているのに、何だかズボンの太ももの前辺りがすぐにモタモタしてきたり、不意に降り出した雨に当たったら何だか不思議な臭いがするなんて経験がないでしょうか?
きちんと手入れしているシルク製品で、シーズン明けにクローゼットから出したら脇や首回りが何だか黄ばんでいるなぁなんてことありませんか?
それが、ドライクリーニングで落ちなかった汗分のいたずらなのです。

ではどうるればいいの?
その続きは、次回ご紹介いたしますね!
この内容の動画を、You Tubeの「クリーニングの野崎店長」で詳しくご説明しております。よろしかったら、ご覧ください!

https://www.youtube.com/channel/UCYZrl69HTMzl9Baj6AnKEBw